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震災からひと月後、2011年4月11日の夕方、山田町の高台から見える山田湾と、その先に広がる蒼い空と波静かな水平線を、こみあげる感情とともに眺めていた、あの日あの時のことが、いまでも記憶とともに心に刻まれています。被災後の山田町そのものを、歩いて、見て、匂って、聞いて、触れて、五感でありのままの被災地を感じた、そのあとのことです。
それから9年後、” 東日本伝承プロジェクト ”という合言葉とともに、このプロジェクトの構想や社内プロジェクトチームの編成から具体的な活動内容を考え、小さな一歩を踏み出しました。当初は過去の震災での経験を社内関係者へ紹介する資料として考えていました。まずは情報収集からはじめ、弊社の職員のみならず、社外の多くの方々からの、それぞれの思いが込められた言霊や貴重な写真・映像をご提供して頂きました。
そのようななか、社長を筆頭に本プロジェクトに対する社内理解と大きな支援を受け、社外への正式なパンフレット制作や東日本大震災伝承サイトにまで構想が発展していきました。それから2年をかけて、ようやくひとつの成果物として、パンフレットを発刊するに至りました。パンフレットが完成したことは当初掲げた目標達成へ向けた序章であると考えており、若手が主役となって具体的な行動に繋げることで、これからの様々な災害対応へ向けた皆様の取り組みの一助になれば幸いです。
最後に、コロナ渦でもありご多忙ななかでもインタビューにご対応頂きました社外の皆様、嘉門雅史先生、勝見 武先生、風間基樹先生、および中野正樹先生、佐藤信逸山田町町長、OBを含め複数回に渡る取材にご協力くださった社員や本プロジェクトメンバーの皆さん、ならびに本プロジェクトコアメンバーである、高橋太郎、松本広之、南部 忍、藤田情子、鈴木奨士、桐原廣大の諸君、第二章の若手座談会参加者の皆様、パンフレット制作の企画段階から最終チェックまで共に取組んでくれた広報課の井戸田高明、中村桂吾、そして、パンフレット・東日本大震災伝承サイトに関わって頂いたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
東日本大震災伝承プロジェクトリーダー 大塚 義一
<奥村機械製作株式会社>
〒555-0033 大阪市西淀川区姫島3-5-26
TEL:(06)6472-3461/FAX:(06)6477-6801
[営業種目]
建設・産業機械器具の設計・製造・販売・修理
<太平不動産株式会社>
[本店]
〒108-0014 東京都港区芝5-16-7
TEL:(03)5439-5401/FAX:(03)5439-5402
[大阪支店]
〒545-8555 大阪市阿倍野区松崎町2-2-2
TEL:(06)6625-3959 FAX:(06)6629-3938
[営業種目]
不動産取引 土地・建物管理
<石狩バイオエナジー合同会社>
〒061-3242 石狩市新港中央2-763-3
TEL:(0133)77-5318/FAX:(0133)77-5319
[営業種目]
再生可能エネルギーによる発電・電気販売
<平田バイオエナジー合同会社>
〒963-8204 福島県石川郡平田村大字鴇子字坪内23-8
TEL:(0247)57-7351/FAX:(0247)57-7352
[営業種目]
再生可能エネルギーによる発電・電気販売
2020年度初旬、東日本大震災から9年以上が経過した頃に大塚義一(当時:営業本部 担当部長)をリーダーとして本プロジェクトは発足しました。「震災から10年」という1つの節目に、奥村組のこれまでの活動を、後世へ伝承することを目標として活動を開始しましたが、なかなか短期間でまとめられる作業ではありませんでした。それでも大塚部長の働きかけで、関係OBや社外関係者、さらには社内の若手職員が本プロジェクトの活動に賛同していただき、当時の苦労や哀しみ、そのなかでも芽生えた希望や喜びなど、さまざまなエピソードを通じてパンフレットと東日本大震災伝承サイトの編集に協力していただきました。近い将来、大規模な災害が発生した際には、この活動記録を通して当時の関係者の思いや情熱を感じ、前を向いて歩いていけることを願っております。
松本 広之
東日本大震災という未曽有の災害を目の当たりにしたとき誰もが国土の危機と不安を感じました。その記憶を未来へ遺すため、第一章が「伝承」、第二章が「創生」というテーマで編纂して参りました。当時の先輩方から託された想いを、若手職員たちが受け継ぎ自ら生み出した答えが、個の力を集結させ「チーム」として今後も活動を続けていく、という形となった事は想像以上でした。奥村組のロゴマークは「人」の文字がモチーフです。その字の通り、人に寄り添い、絆を紡いできた先人達の魂を受け継いだ若者達が導き出す未来はきっと建設業として誇れる、笑顔のある未来になることと思います。本プロジェクトの活動が懸念される将来の災害に対して何かひとかけらでも考え、感じるきっかけとなりましたら幸いです。
南部 忍